Diario

日々の暮らしのあれこれ帳

「緩やかな絶望感」を脱するべくあれこれ施策を打ってみた話

月毎の振り返り記事で書こうと思っていたのですが、想定以上に長くなってしまったので単独で切り出すことにしました。
8月末から今月にかけて、精神状態の急降下を経験した話です。
現在進行形ではありますが、書き出すことで自分の状態を認識できるのと、振り返った時に何かの気づきを得られるんじゃないかと思ったので、残しておきます。

徐々に現れた異変

8月の振り返り記事で書いた通り、一人暮らしにも慣れて暮らしの中に楽しさを見出せるようになってきていたのですが、月末にかけて少しずつ心身の調子がおかしくなっていました。
始めは寝つきの悪さで、次第に「頭や肩が重い」「食欲がない」「動悸が頻繁に起こる」「飲めないくせにやたら酔いたい気分になる」「重曹ちゃん*1になれそうなくらい涙もろくなる」という症状が出始め、ある在宅勤務の日の終業後孤独感に苛まれ泣き崩れてしまった時があり「これは変だ」と思い始めます。
有給を取って昨年夏の終わりにもやった「ヒトカラ→個室温泉→マッサージ」の疲労回復コンボを決めたところ、疲れが取れるどころか「このまま私死ぬのかな」みたいな虚無感というか緩やかな絶望感*2に陥っていよいよヤバいと自覚しました。

それは躁(それはそう)

なぜずっとそれなりに元気でいたのに急に調子を崩してしまったのか不思議だったのですが、思い当たる節がないかといえばありまくるんですね。
少し前から恋愛や仕事のことで悩み事があったり、暑さで疲れていたりしたわりにはやたらポジティブに生きていたのですが、気づいたのです。「あれは躁状態だった…!?」と。ストレスや夏バテに対し知らず知らずのうちに蓋をしていた心身の不具合がいよいよバランスを崩し始めていたのだと。
「睡眠時間全然足りてないけどやたらご機嫌だし元気!!運動と食事のおかげか!?」「やっぱこんだけ楽しく暮らせるって一人暮らし向いていたのかも!?ヒャッホ〜〜」となってなっていた8月の自分の肩を掴んでこう言いたい!!「それ危険信号だからちゃんと休め!!!」と。
今までも「なんか調子悪いな」と思った時には休むよう意識できていたのですが、「休めていないのに調子がいいな」という状態は前者よりもっと怖いことだと今回初めて気づきました。また一つ学びを得られたね!

回復のための実験結果

原因には気づけたところでいきなり現状が良くなるでもないので、この不調をどうやって治していこうか考えることになりました。
まずは手当たり次第できそうなことを試してみました。

  1. 実家に帰る:⚪︎
    とりあえず頼れるものは頼る。最初に心身を大きく崩してしまった週末は予定を取りやめてほぼ実家にいました。自分を無条件に受け入れてくれる人と過ごすだけで楽になれるものがあります。
    依存的になって自立できなくなるのではないかと、これまで意識的に実家に頼るのをセーブしていた部分もあったのですが、それで何もできない状態になっては本末転倒だと思いました。せっかく近くにいるので、ここはインフルにでも罹ったようなもんだと思って休ませてもらうことにしました。劇的に改善するとかではないですが、応急処置としてとりあえず気がどうにかなってしまっても大丈夫な場所にいると感じることで救われるものがありました。
    親も親で親戚の世話問題を抱えていて私が話を聞くことが多いので、自分がいるだけで役立てていると感じられたのは良かったです。ただ、寄り添いすぎて精神疲労が増す時もありました。中途半端に一人暮らしに適応してしまったので、ずっと滞在しているとそれはそれで別の難しさが出てきてなんとも悩ましいですね。

  2. 友人・知人と話す:△
    家族以外でも頼れる人は頼る。親と違って恋愛相談をしやすいのが最大のメリット。連絡をそこそこ頻繁に取っている友人や知人に片っ端から連絡してご飯に行ったり通話したりできないかお願いしました。みんな快諾してくれました。本当にありがとう。
    ただ相手の予定や都合は当然あるので、話せるまでにラグがあるんですね。すでにもうどん底を脱していたり、気がついたら相手の話を聞いて時間が過ぎていったりと、難しいところもありました。案外約束して時間取ってもらった時の電話より、たまたま会えた子とその場のノリでご飯に行って話した時の方が似たような境遇を経験していて良いアドバイスをもらえたりしたので、「これがセレンディピティか…」と感じた次第です。
    上手くいったりいかなかったりでしたが、人と話すことには随分慣れた気がします。

  3. 家事をお休みする:×
    掃除も洗濯も買い物も自炊もこなせていましたが、一旦全てリセットして最低限の掃除・洗濯にほぼ外食に頼るノー家事ウィークを過ごしてみました。
    そうしたら不思議なことに「家事がない!楽だ〜」とはならずむしろ生活を半分放棄し外食代を飛ばすことによって自己肯定感が下がってしまうことが分かりました。結局我慢できずに掃除と洗濯はいつも通りやりました。
    料理はあまり楽しんでやっている方ではないですが、家に作り置きのストックがないのもなかなか不安になりました。翌週久々に料理したら落ち着くなと感じたので、私にとって家事はむしろ自己肯定感を保ち精神に安定をもたらすものだったのだと気づきました。これはこれで良い経験となりました。

  4. 睡眠と娯楽と美容に課金する:◎
    要するにQOLを上げるということですね。引っ越しの時に準備資金で貯めたお金が残っていたのをなんとなくそのままにしていたのですが、思い切ってベッドの買い替えとちょうどセールで安くなっていたホームプロジェクターの費用に飛ばしました。
    ベッドは一人暮らし体験の時に簡易的なベッドでも問題なく眠れていたので「私寝具はそんな課金しなくても生きていけそうだな〜」とセミシングルサイズの脚付マットレスにしていたのですが、「もしかしてのびのび眠れないのが睡眠の質に影響している…!?」と思いセミダブルにチェンジ。
    猛暑が収まった頃に変えたので気温かベッドかどっちが良かったのかは正直分かりませんが、部屋の中における休めるスペースが広がったことでなんとなく落ち着くような気はしていて、心理的好影響は感じています。
    プロジェクターも新居で一面真っ白な壁のあるスペースを見つけてからずっと迷っていたのですが、TVerYouTube・ABEMA鑑賞と大活躍。今のところ買って良かったなと感じています。
    あと他にもお金を投じて良かったのがヘアカラー。基本黒髪を貫いていたのですがこの度インナーカラーに初挑戦しました。5年前に裾カラーをやった以来のブリーチで濃いめのピンクを入れてもらいました。髪色が少し変わるだけでも少し新しい自分に出会えた気がしてテンション上がるのを実感します。見た目だけでも満足度が上がると気が紛れるしメンタルは多少なりとも回復しますね。

  5. 趣味や勉強に没頭する:⚪︎
    孤独感について友人に相談して得られるアンサーは大体これでした。自分でも悩むのは暇な証拠って常日頃から思ってますよ!!
    その上で「没頭を妨げるような悩みがあるんだよ…」と言いたくなっていたのですが、愚直にドラマや動画を見たり宅トレをしたり資格勉強をしている瞬間は確かに不安が入り込む隙がなく時間が過ぎていってくれたので、一定効果はあるのだなと感じます。
    一方、気が紛れてくれるのはその場凌ぎのようにも感じました。多少心が落ち着いたとしても、ふっと時間ができるとまた蘇る不安に襲われる感覚を何度も味わったので、根本的に「どう不安と向き合うか」という部分に目を向けないことには状態が上向かないのではないかと思っています。
    とはいえ、その場を上手いこと凌ぎながら生きながらえていくのが人生の本質だったりするんですかねぇ。

  6. 思っていることを書き出す:◎
    元々日記を毎日書いているのに加え、SNS代わりに思ったことを自由に書き出すノートをつけているのですが、気持ちのアップダウンが激しくなってからは特に書く量が増えました。
    ネガティブな感情はどうしても湧いてしまいますが、とりあえず「寂しい」と書き出してみると寂しさそのものから「なぜ寂しいと思ったのか?」「この寂しさを解消するにはどうすれば良いのか?」「私は何があれば寂しくないのか?」という方向に思考をシフトできるのです。 読み返すことで自分の状態を客観視するのにも役立ちました。「今思えば夏のテンションがバカみたいに上がっていた時期は躁状態だったな」と気づけたのもノートのおかげです。
    一番気持ちが落ちていた時には1年後の自分に宛てて今の悩みを書き綴った手紙も書いてみました。書いているうちに未来で読んでいる自分から励まされたような気持ちになって、少し孤独感が癒えた気がしました。名付けてアンジェラ・アキメソッド。実際に読み返した感想も知りたいので1年後もちゃんとブログ続けていてほしいね。

  7. 本を読む:⚪︎
    永松茂久さんの「君は誰と生きるか」を読んで以来、読書も一種の対話だと考えるようになりました。生身の人間のような安心感はないですが、作者の思考を取り入れ自分の頭の中で反芻する行為は、単純な気の紛らわしよりは情緒的な営みだど思っています。
    以前、YouTubeで見つけたフランクルの「夜と霧」の要約動画が勉強になったので、ちゃんと本も読んでみるかと図書館で借りてみました。以前「夜と霧」よりも読みやすいと言われた「それでも人生にイエスと言う」で挫折してしまったので若干不安でしたが、要約動画で要旨を頭に入れていたからか今の悩みにマッチする内容だったからか意外とスッと入ってきて完走できました。
    印象に残っているのは「人生から問われている」という考え方。もちろん、基本的な尊厳を持ち衣食住に不自由しない今の生活は収容所の極限的なものとは遥かかけ離れていますが、「この苦しみに対して私はどうアンサーを出していくのか?」という視点は前へ進むためのヒントになりそうだと感じました。

絶望を味わえるのも生きていればこそ

これを書いている今も回復度は60%くらいで正直出口は全然見えないんですが、不安定ながらもなんとか生きていられているんで時間が解決してくれるのを待って日々をやり過ごしています。
「これだけ苦しくなれるのも生きているからだな〜ありがたいな〜」と思うくらいの勢いでいきたいです。なかなか難しいですが。
今までの経験からも、深く沈み込んだ時ほどその後の生きやすさが1ステージ上がったような実感を得られることはなんとなく分かっているので、これを乗り越えた先により強くなれた自分がいることを願って、引き続き踏ん張っていきたいと思います。

*1:「推しの子」に出てくるヒロインの一人・有馬かなの幼少期のキャッチフレーズ「10秒で泣ける天才子役」より

*2:その日が台風で大荒れだったのも良くなかった