Diario

日々の暮らしのあれこれ帳

Airbnbでお試し一人暮らししてみたら大変だったけど良い経験になった話

今年度の年度目標の中に組み込んでいた「一人暮らし体験をする」を実行しました。

gillegiuly.hateblo.jp

色々と初めてな部分が多くてとても大変だったのですが、結果的に良い体験ができたな〜と思っているので、記憶が新しいうちにブログに残しておこうと思います。

はじめに

今回の体験の一番の目的が「生活能力をつける」こと。生まれてからずっと実家暮らしで、幸い通学・通勤もそれほど時間がかかっておらず家族仲も良好で正直一人暮らしする理由がほぼ見つからない環境でした。

しかし社会人になって周りはほとんど一人暮らしでことあるごとに「一人暮らししないの?なんで?」と半ば圧を受けるような形で聞かれることが増え、自分の生活について渋々見直し始めました。すると全然自活能力がないなということに気づいたのです。当時の私の家事スキルはこんな感じ。

  • 料理:社会人になって朝ごはんとお弁当は作るようになったが買い出しは親任せ。学生の頃はお湯の沸かし方も分からなかったレベル。最近お皿洗いをやるようになった。
  • 洗濯:ほとんど親任せ。取り込みと畳んで収納するところはやっている。
  • 掃除:毎週末家中の掃除機をかけている+年末年始やGWなどまとまった連休の時は大掃除もして他の家事の放棄っぷりを相殺しようとしている。
  • その他:お風呂は沸かしている。ごみの分別は何となく分かる。庭仕事はたまに手伝う。生活費の金銭感覚はあんまりない。

考えたくもないですが、親にもしものことがあったら速攻終わりますね…。

それでも「必要に迫られたらできるっしょ」と初めのうちは楽観視していたのですが、ここ数ヶ月でまた自分の価値観が変化する出来事があって、もう少し自分の頭で考え、自分の力で生きられるという自信をつけていきたいなぁと考えるようになりました。

とはいえ、いきなり一人暮らしを始めるのは意思決定においてガチガチの慎重派・保守派の私にとってはハードルが高く、「まずはお試しでどんなものか体験してみるか」ということになったのです。親に話してみると「へーそうなんだ気分転換になっていいんじゃない?」くらいな感じでそれほど驚かれず。

宿泊先はウィークリーマンションやキッチン付きホテルなども検討したのですが、平気で賃貸家賃の1.5倍くらいするものもあってなかなか厳しい。そこでもう少し安いものはないかと探したところ、民泊サービスのAirbnbに辿り着きました。結果として、都内某郊外の家具付きワンルーム貸切・7泊25,000円ほどで泊まれることに。光熱費なども込みなのでかなりコスパは良い方なのではないでしょうか。かなり人気の物件だったらしく2ヶ月先くらいまで予約が埋まっていました。滞在費は予約時の前払い5,000円と滞在日前月の20,000円の分割払いで有難い。

それでは現地での様子を日毎に振り返ります。

初日(土)

予約してから色々家事の練習もしようかと思っていたのですが、あっという間に日が過ぎてパッキングさえも移動当日の朝行うバタバタぶり。一人旅はしたことがありますが今回は自己管理ができないとお金が飛ぶか健康が損なわれるかの恐怖の2択状態だったので、流石に家を出る時にはかなりドッキドキだったのを覚えています。

ゆるミニマリストでかなり荷物は少ない方だと思うのですが、流石に調理器具やお皿・数日分の衣類も持参だったのでカバンはスーツケース+ボストンになりました。この日は雨の日だったので傘をさしながらの移動がまあ大変…

前日にホストからチェックインの方法は聞いていたのでスムーズにチェックイン。地図などの案内も分かりやすく道に迷わず辿り着けました。

主要駅からバスで10分弱、そこから徒歩10分弱。建物はやや古めの3階建てのアパート(後で調べたら築35年でした)で、大家さんの家と一体化したような形。各フロア10部屋ほどあって元々普通に住んでいる人もいるようです。部屋の中は外観よりは綺麗な感じで窓からは借景でお隣の素敵なログハウスや森も見えました。部屋はなんか独特のニオイがするけどまあWi-Fiはサクサクだし、うん。悪くない。

午後のチェックインだったのでのんびりAbemaの将棋中継を眺めつつスーツケースの中身を部屋に置いていったり家具の配置を自分好みに変えたりする作業。

初日から家事エンジンフルスロットルだと最後力尽きそうな気がしていたので、夕食は歩いて15分ほどのサイゼで済ませました。いつもだと家族で行くことが多いので改めて一人で行くと値段上がったな〜と実感します。ワイワイと楽しむ家族や学生たちを他所に一人でキッズメニューの間違い探しを真剣に取り組みます。全クリできて満足。帰りはすっかり暗くなっていて、道に全然明かりがないので流石に怖かったです。ダッシュ

帰宅後、ホストの方がご挨拶に来てくださいました。とても感じの良い方で、しかも同じフロアに住んでいる方だったので一安心。一人だと生身の人間と話す時間が貴重に感じます。

さてこの日の受難は3つ。一つは鍵。古い鍵なのかまず全然抜けない。スマホ片手に必死で調べて回しながら抜くと良いとあったのでやってみたら見事成功しました。Google先生ありがとう。

二つ目はお風呂。帰宅して一息つき温かいお湯に浸かれたのは良かったのですが、お湯を抜く際に3点ユニットバスの詰まりで洗面所にお湯が逆流して排水溝の汚れと共に水浸しに。初日から床掃除をして、逆流が起こらないようお風呂の栓をちょっと開けてはすぐ閉めてと排水作業をした時は流石に「私は一体何をしているんだ…?」と思いました。

三つ目は隣の騒音。お風呂から上がり寝ようと思ったら何やら興奮したような男性の怒号や笑い声が聞こえます。初めは野球かサッカーでも見ているのかと思いましたが(家の近所にも野球ファンがいた)、番組表を調べるとどうやら違う様子。電話していたのか何かのゲーム実況を見ていたのか分かりませんがまあとにかくうるさい。0時過ぎまで続いて全然眠れず。壁が薄いのか隣人の声が相当大きいのか…。翌日が休日なのもあり「まぁ最悪寝れなくても何とかなるか」と割り切り、暗い部屋で静かになるまで過ごしていました。多分2,3時ごろには眠れていたのでしょう。

2日目(日)

ハードモードな初日を終えた翌日。寝付くのも遅かったのであえてアラームはかけていなかったのですが少し窓から光を感じたので起きたら8時半。まぁまぁ良いでしょう。アラームも同居人の物音もなしに起きると時間も曜日感覚もなくなってまだ夢の中なんじゃないかという錯覚に陥ります。ちょっと怖い。

隣人の件は流石にこれが一週間も続くと困るのでメッセージでホストの方に相談したところ、すぐに返信が来て注意してくれるとのことでホッとしました。ホストの方にも聞こえていて心配してくださっていたとのこと。悩みって共有できるだけでも8割くらいつらみが減るんだな〜と実感した瞬間です。何か困ったことがあったらすぐ相談ですね。

この日のミッションは食糧調達。近所に飲食店には少ないですが、業務スーパーがお向かいにあるほか、大型スーパーやドラッグストアも徒歩10分圏内で自炊生活には強い味方です。周辺近所のことを知ろうと思い行きはバスで行った主要駅に歩いて行ってみました。このアパート周辺、本当にのどかなところで道中に牛と羊を見つけたときは流石に笑いました。

主要駅のスーパーと近所のスーパーを梯子して色々と調味料や食材を揃えていきます。親が結構食にこだわりのある人で、私もその食事に慣れてしまっていたので調味料とかベースの部分はなるべく家と同じにしたいな〜と思ったのですが、某高級スーパーで自分で一通り買ってみると思っていた以上にお金が飛んでいく…みんな工夫して節約するわけだわ…。なるべく最低限の調味料に抑えて残りは近所でコスパの良いものを探します。

駅ビルで昼食を済ませて食材と共に帰宅。まずは平日の作り置きを作っていきます。家だとお米は鍋で炊いているので炊飯器の使い方から四苦八苦。さらに普段は父が白米好きなので玄米をほとんど食べないのですが、いわゆる「丁寧な暮らし」に憧れのある私は玄米にトライ。浸水のところから手探りでやりました。お味噌汁は味噌玉の作り方を調べ、おかずも数日分一気に作り、夕方に始めた作業が気がつけば夜ご飯の時間になっていました。

その間にまた昨日の隣人の声が。今度はなんと歌っています。愉快かよ。よく聞くと嵐の「Monster」と「ワイルドアットハート」ではないか。さてはお主結構世代近いな?(アパートは大学のちょい近くでもある)なんか頑張ってビブラート効かせているし。高音はもうちょい頑張ってくれ。ここに来てクレイジーネイバーが急に親近感のある人物像になってきました。面白いね。夜を避けてくれれば歌は良しとしよう。

やっとこさできた夕飯を一口。うん、思ったより上出来で美味しい…!と同時にそれを分かち合える人が近くにいない寂しさも込み上げて涙。いわゆるホームシックに早速なってしまいました。家事だけじゃなくて、好き勝手喋っていたのを全部聞いてくれてた親、本当に貴重な存在だったんだなぁ。

テレビをつけて食べるのは抵抗があるけど、やっぱり無音は耐えられなかったのでこの日からご飯のお供はRadikoになりました。

3日目(月)

隣人は夜間留守にしていたのか?というくらい静かで、日曜と打って変わって安眠できました。今日から業務。フルリモート可な会社なので前の週にチームに一言共有するだけで特に問題なく。有難い。とはいえこの週実は出社必要なイベントが偶然にも重なってしまって全断りするのは流石に心苦しかったです。なんでよりによって重なってしまうのか…!

家事練習なんていうと恥ずかしいのでチームには「一週間山でワーケーションします」って言ったんですが、「山か〜羨ましい!」って反応もあれば「一人すか?」「面白いね!?」とも言われました。面白いのか?まあいいや。

業務がバタバタしていたのもありこの日はあっという間に過ぎました。何か目の前のことに必死という状況はある意味不安が浮かばないので有難いのだね。

この日大変だった3つ。一つは昼休憩。一時間で作り置き解凍→食べる→皿洗い→翌日の追加食糧買い出しを済ませるには猛スピードで動かなくてはいけなかったです。普段は出社時なら会社、在宅時なら家の近所で食べることが多いので気にしたことが無かった…

二つ目は作り置きの解凍。家だと電子レンジじゃなくて蒸し器で解凍しているので食器やケースがレンジ可能か気にする概念がなくて、レンジ不可のタッパーに突っ込んだおかずを冷凍してしまい、取り出すに一苦労。容器をカンカン叩いている時も「私は一体何をしているんだ…?」アゲインでした。この日以降は多少の鮮度に目をつむって冷蔵にしました。

三つ目はタオルの手洗い。コインランドリーがアパートの1階にあったのですが、謎の節約精神から手洗いに。お風呂後にタオルを洗ってみたのですが絞るのが本当に大変だった…だからみんな洗濯機と乾燥機を使うのね…。(それはそう)

4日目(火)

晴天。実はこの前日まではずっと雨が降っているかどんよりしていて、初めて朝太陽を拝みました。心も晴れやか。太陽の恵みとはまさにこのことですね。は〜有難い。ベランダに簡単なカフェテーブルが置かれているので朝食のバナナとヨーグルトをそちらでいただいたらなんとも優雅な朝になりました。

朝食後は近所の川沿いを散歩してみたらとても気持ちよかったです。天気と気持ちが完全に連動している。思えば日曜の夜が精神不安のピークでした。

昼食・夕食の準備も初回に比べかなり手際が良くなってきて、サラダの準備をしながら片手でご飯とおかずをレンジにホイホイ突っ込んで…なんて世間のママさんみたいなことが少し自分にもできるようになってきたのは楽しかったです。

5日目(水)

ここから後半戦。正直前半(特に土日)が本当に長くて長くて辛かったので「やっとか…」という気持ちでした。

ここにきて食べ物だけでなく飲み物事情についても書くのですが、白湯しか飲んでいませんでした。理由はただでさえご飯の準備と片付けと仕事に必死な中、お茶を作る余裕はなかったからです。あと単純に家でも健康のためによく飲んでいるのもある。浄水器なんぞついていませんので流石に水そのままは怖くて毎度沸かしました。部屋にあった電気ケトルで沸かして、持参したタンブラーにジャボジャボ注いで飲む。簡単。

家だとミルクティーとか飲むこともあったのですが、カフェインが効いて眠りの質は落ちるし、ミルクを摂りすぎるとなんかだるくなるし、歯にステインが溜まるしで思えば結構QOLプラマイトントンみたいな感じだったんですよね。

強制的に白湯オンリー生活になったことで寝つきも良くなって、気持ち肌も綺麗になった気がします。これは思いがけない効用でした。

この日は推しのダンプラ動画(Snow Man「Cry Out」)が公開されたので夜はそれをエンリピしていました。慣れない暮らしを癒してくれる推しの有り難みをバシバシに感じています。

6日目(木)

雨が続いた前半はやや寒いくらいの気温だったのですが、晴れるようになってからは30度超えで「おいおい令和ちゃん温度管理頑張ってくれよ…」とツッコミを入れたくなる寒暖差。予報を見て衣類を準備したのでなんとかなりました。アパートは北西向きで採光環境としてはかなり悪条件なのですが、暑い日には良い感じに涼しくなってくれるので助かりました。

「暑い日は食料買うのはギリギリの方が良いかな」とか「晴れているうちに洗ったタオルを干したいな」とか考えるのでこっちにきてからより天気や気温を気にするようになった気がします。

この辺からようやく生活にゆとりを感じられるようになってきました。

7日目(金)

鳥のさえずりで起床。優雅な暮らしのイメージ映像とかではなく、ガチで鳥の声で起こされる。余談ですが自宅の目覚ましの音に設定している鳥の鳴き声そっくりなので一瞬実家で起きたかと思いました。まだ今日明日が残っている…

いよいよこの生活もクライマックス。広げた荷物などの回収をゆるゆる始めていきます。初日は気になっていた部屋の匂いの違いとかもいつの間にか慣れてきて、人間の適応力の高さを感じます。

夕食はこれまでの残りもので済ませました。といっても量は十分。普段家族分想定で作る量だと一人暮らしの場合こんなに余るんだ〜という実感も大いに得られました。新たに買い足す分をなるべく最低限にして、うまいこと翌日翌日へと残り物を回していきながら献立を組む時間はさながらパズルを解いているようでちょっと面白かったです。

ここにきて食費の計算をしてみたのですが、思ったよりかかるなぁという感想。一週間2000円で自炊生活とか動画上げているYouTuberさんいますけど、調味料とか抜きにしてもあれは異次元レベルだと思う。すごいや。

夜はMステに出る推しを見るべく早めに家事を済ませました。家だと基本テレビはあまり見ず録画でピンポイントで鑑賞することが多かったので、改めて頭から音楽番組を視聴したのも新鮮でした。生放送の臨場感とか、CMのありがたみとか(ちょっとした支度が出来る)、録画機無しだからこそ目の前の映像に集中できるところとか。今の時代はいつでもどこでも鑑賞できるものがたくさんあるけど、たまにはちゃんと時間と場所に縛られた状態で頭から見るのも良いなぁ〜なんて感じました。

ずっと慣れない生活で気を張っていたからか、ここにきてピチピチ健康体だった私の身体にも異変が。船に乗っているようなめまいに襲われたのでMステを見終えたらさっさと寝ることにしました。

最終日(土)

めまいは寝たら治りました。いよいよ片付け。といっても前日にほとんど荷物のまとめはできていたので掃除などを軽くやったあとはこのブログの記事をしたためていきます。

行きもそれなりに重かったスーツケースには持ち帰りの調味料が加わりさらにずっしり。何を血迷ったかバスを使わず坂道のある駅までの道のりを歩くことを選んでしまったので、汗だくになってしまいました。

家に向かう電車に乗った時の「ああ…文明だ…!」(?)というなんとも言えない感慨深さを覚えています。(思えば1週間丸々電車に乗らずに過ごしたのはコロナ禍以来かもしれない)

総括

無事、生存。

長いような短いような、不思議な1週間でした。電気・ガス・水道・食事・太陽・自然・会話…様々なものの有り難みと親の偉大さを実感した、濃厚な時間でした。 「まぁ意外となんとかなるっしょ」という感覚は本当にその通りで、人間どんなに生活力がなくてもどうにかせざるを得ない状況に放り込まれると頑張れるんだなぁと感じました。当初の目的は達成できて、自信は確かについたと思います。とにかくチャレンジして良かったです。

ホテルとか小綺麗なところではなく、築古アパートでリアルな一人暮らしをしてみたことで、自分の暮らしに必要な物件の条件もはっきりしてきたのが家事スキルに加えて今後に繋がる収穫だったなぁと思います。

私の選んだ物件はホストの方も本当に親切にしてくださって、終始スムーズに連絡が取れたところも安心でしたし、初めてのAirbnb体験も上手くいって良かったです。また泊まるかといったら…ちょっと分からないですが……(うーん、もう普通に賃貸で一人暮らし始めて良い気が)。

今回の経験を忘れずに、今後は実家でもより出来ることを増やしていって生活力と自信をつけていきたい所存です。